Crime Boss: Rockay Cityをクリアしたのでレビュー
こんばんは。今日はEpic Games Store専売でひっそりとリリースされたCrime Boss: Rockay Cityをレビューします。けっこうおもしろかったのに、個人が誰もレビューしていない不遇なゲームです。Epicだとレビュー機能がないのでここに書くことにしました。
Crime Boss: Rockay Cityとは
どこかで観たことありそうな米国俳優をたくさん起用したクライムアクションゲームです。なのでちょっと映画っぽいです。プレイヤーは、組織のボス、トラビス・ベーカーとして、街の支配を目指していきます。やることとしては、様々な強盗をして、稼いだお金でギャング（ハイスター）を雇ったり組織をでかくしたり資産を買ったりします。
俳優は世代的に自分が知らない方が多いのですが、どれも有名人らしくめちゃめちゃかっこいいです。出演した映画を確認する限り、おっさんの皆様は大喜びするのではないかと思います。声も当人たちだと思うのですが、汚い、渋い、訛りのある多様な英語を聞くことができます。残念ながら吹き替えはありません。訳が怪しい部分も多々あります。ユニークキャラのストーリーに至っては、英語字幕の部分があります(笑)。しかし、ハーフプライスで豪華な出演陣の活躍を味わえるのは価値があると言えます。
ゲームとしてもおっさんを見据えているのか、ステルスでもラウドでも攻略できるようになっています。つまりは、撃ち合いが苦手ならひっそりと物を盗んで帰ることもできますし、銃をバンバン打ちながらアクション映画さながらの銃撃戦をして帰ることもできます。クライム映画ではどっちのパターンもありますよね。しかし、警察の警戒度が高くなってしまうことから、できるだけステルスをするようにデザインされています。見せ場となる特定の強盗では撃ち合いが発生するようになっているので、ドンパチ好きの方も安心です。
ぜんぜん知られていない公式PV（全4章）。これ観れば全部分かります。 youtu.be
ストーリーとして
マルチプレイ以外のたいていのゲームで自分が重視してしまう部分ではあるのですが、あまり考えずにやりました。とりあえずシューターゲームをやりたかったからです。
主人公のトラビス・ベーカーは、ヤクの売人上がりで、部下に慕われたり、社会的に良くも悪くも注目されたりするような人物ではありません。我々一般人と重ねやすい人物像かもしれません。しかし、実行部隊の管理や作戦指揮を担当するナザラ、財務や諜報を担当するキャシーなどの優秀な部下に恵まれ、ロッケイシティの王になる・・はずの人です。このため、常に部下にヨイショされてる感じが拭えず、ストーリーを通した成長を感じられません。戦闘能力がやたら高く、初期のリボルバーは一発で下級の敵を倒せますし、二発でSWATの一般隊員も倒せます。作戦に参加したり死んだりする度にボスの経験値が上がって様々な能力を得るため、フィジカルで全てを解決していきます。一般的な人物像と超人的な人物像が矛盾しており、ベーカーに入れ込むプレイヤーは少ないと考えられます。
保安官のチャック・ノリスはどうでしょう。彼はかっこいいのですがそれだけです。終始追う側なのですがベーカーが強すぎて追い付けません。ベーカーと因縁があるわけでもないので、ゲームオーバーでは、ベーカーが死んで終わるだけです。ベーカーを追い、ベーカーを説明し、最後にはベーカーと対峙できる立場にありますが、とりあえずの敵キャラとして用意されています。描写もベーカーと同じかそれ以下程度にしかなく、ちょっと残念だなと思いますね。
とはいえ、ユニークキャラクターのイベントはおもしろみがあります。レンジャーはお気に入りでした。ネタバレは避けておきますが、ランボーのオマージュなのかなという境遇の人物で、最後にはある人物の正体が明らかになります。ミステリーがあるとやっぱワクワクしますよね。展開がハチャメチャなので共感はできないですが、一度自分を振り返るにはいい話だったりするかもしれません。そういえばMGSで見たようなシーンもありました。こう見ると、古き良き作品のオマージュが仕込まれていて、それを楽しむゲームなのかなとも思います。
アクションゲームとして
素晴らしい完成度です。昨今、考えなしに撃ってても問題ないシューターは多いですが、Crime Bossは意外と硬派です。シューティング部分の良さでは、このような理由が挙げられます。
- 腰うちがよく当たりギャング撃ちが楽しめる
- スライディングができる
- 囲まれると死ぬため丁寧な配置をする必要がある
- ゆえにカバーアクションが活きてくる
- 銃が程よくぶれるため慎重な射撃が肝となっている
- ゆえに単発武器や単発切り替えにも優位性がある
- 弾が不足するため、相手の死体に近づいてリスクを取る必要がある
ステルスゲームとしても次第点はあるもののよくできていて、緊張感をもって盗みを働けるのではないかと思います。次第点としてはこういう部分があります。
- 一般人や警備員を拘束すると逃げ出さなくなるのであまり見張る意味がない
- AIの行動が微妙で、全部の盗品を集めるまで連れてくる意味が薄い
- 敵対キャラとカメラぐらいしか警戒する必要がない
- 作戦が一本道で多様性がない
- マップがもっと欲しい
攻略のヒント
ゲームをクリアした立場から、つまづいた人向けに、攻略するうえで押さえておきたいポイントを紹介しておきます。ネタバレがあるかもしれないので、自力でクリアしたい人は飛ばしてください。
目標をこなす
目標を設定することで、新たなミッションがマップ上に表れます。目標をこなすことによる報酬は大きいため、積極的にこなしていきましょう。また、目標とは別にユニークキャラのミッションが表れることがあるため、これもこなしましょう。いいことがあるかもしれません。
最初に出てくる「ヒエロを攻撃しろ」はボーナスミッションで、低レベルのギャング一人でもこなせるほど簡単な仕事になっています。全ての目標を終えると序盤では大助かりするほどのキャッシュを入手できるはずです。
ただし、引き受けると期限付きになるものもあるため、人員やお金に余裕がない場合は引き受けるかちょっと考えてみてください。この辺はプレイヤーが楽しむ部分なのでどうこう言わないでおきます。
セキュリティルームを制圧する
マルチでやってるとやらない人もいるので、多くの人の盲点かなと思っています。カメラのあるとこでは絶対この部屋があるはずなので探してください。セキュリティモニターからカメラを無力化できます。警備員も忘れずに拘束しましょう。拘束したら離れてもなぜか逃げないので大丈夫です。ただし、巡回中の警備員に見つかることがあります。
カメラは直接破壊すると右上のゲージが増えて通報に近づきますし、警備員に壊れたカメラが見つかると即通報されてしまいます。セキュリティルームに着くまでに最小限のカメラを壊すのはやむを得ないですが、できれば壊さず行けると理想的です。
ミッションの「リスク」の部分が低いほどカメラの配置が少ないため、破壊したカメラを見られずに済みます。まずはリスクの低いミッションから慣れていきましょう。
警官を撃たない・相手しない
警官を撃つと、警察の警戒度が上がり、ゲーム終盤にいくほど攻略しづらくなってしまいます。強力な部隊が現れるだけでなく、通報からの到着も早くなります。市民や警備員の通報などで警察が来る場合、すぐにミッションを終わらせるか切り上げることを推奨します。警察を相手にしないといけない場面があるため、その時に備えて耐えましょう。
縄張りの攻撃に人を割く
ティアIなら「もっと兵が必要だ！」にならない最小限の人数でも倒せますが、ティアII以降は怪しくなるので、大めに人数を割いておくといいです。ティアに関わらず最後の拠点の攻防は激しいため、相手よりも多い兵力を用意しておくといいです。縄張り争いは負けたときの損害が大きいため、損してでも勝ちましょう。TIPSにもありますが、一度攻めた拠点は弱体化するので、金に余裕があれば何度も攻めるのもありです。
縄張りではないですが、金稼ぎミッションも人を割くといいです。リスク低なら2人、中なら3人、高なら4人割くと攻略しやすくなっています。警察が来てもちょうど必要量のブツを盗んで帰れるはずです。
遮蔽物を使う
遮蔽物から銃をのぞき込むと、リーンと呼ばれる特殊な動作を行います。体を出す面積が少なくなり被弾を減らすことができます。身を乗り出しながら撃つと露骨に被弾します。体力が減ったらそのまま隠れて自動回復を待ちましょう。
最後に
それほど考えないけど気にするストラテジーパート、それを支えるように金を盗めると嬉しい窃盗パート、撃ちごたえのあるシューティングパート、それっぽい雰囲気で楽しめるクライムストーリー、こういった点が評価できるゲームだったと思います。粗を探せばいくらでもあるでしょうが、私としてはハーフプライスでここまで遊べて満足しました。
犯罪チックな雰囲気で、リスキーな強盗やシューティングを楽しみたい人にはぜひおすすめしたい作品でした。ソロとは進行が別ですがマルチプレイでも同じ体験ができるようになっているので、互いにソロを進めつつ、ときどき一緒に遊んでみても楽しいでしょう。
Crime Boss: Rockay Cityは現在、Epic Store限定で4680円で販売中です。私が買ったときは発売記念で3980円でしたたしか。
