配信サービスBeam.pro(現Mixer)を利用してみた
[2017年8月17日追記]
OBS FTLがとうとうオフィシャルのOBSに統合されました。これに伴って、一部記事の内容を変更しました。GitHubのページでは、統合によって以下の利点が追加されたと紹介しています
・配信中の録画
・署名されたOBSのインストーラーとゲームフック(これで一部問題のあったゲームが配信できるようになりました)
・VCEのサポート(AMD RADEONのハードウェアエンコーダーをサポート)
・OBSのすべての機能を利用可能
・オフィシャルOBSでのアップデート、サポート
Mixerの特徴
とりあえずMixerへのリンク
Mixer | Interactive Livestreaming
Mixerでは、FTL(Faster Than Light streaming protocol)という独自の配信方式を利用することで、配信ラグ1秒未満を実現しています。一般的なRTMP配信を利用することもでき、この場合でも2-5秒という低遅延です
高速配信によって、配信者と視聴者は活発に交流できるようになります。MixerではこれをInteractiveと呼称しています。その1つとして、視聴者が、配信者の画面を見ながら配信者のゲームを操作する機能があります。このためのコントローラーを配信画面に表示することが可能です。ゲームの開発者は、既存のゲームにたった25行のコードを書くだけで、この機能に対応させられるのだそうです。まだSurgeon SImulatorとマイクラと知らないの1つしか対応してなさそうですが、Mixerが広まれば色んなゲームで実現されるかもしれないですね
で、こういうのがお目当てでなければTwitchとかニコニコ生放送とか使うと思うのですが、他にもちょっとした特徴はあります
- 視聴継続によるレベルアップやスパーク(ポイント)稼ぎで、何らかのサービスが解放されたりチャット欄で使えるエモートが解放されたりします
- 視聴者のアクセス解析機能。単純に見てもらいたいって人にも役立ちますし、商業利用者は参考になります。Mixerは配信のマネタイズには色々と考えを置いてるようです(まだその傾向はあまり現れていません)
- 分かりやすいロードマップ https://mixer.com/about/platform。進行具合や予定日こそ示されていませんが、実装済みの機能とComing soonな機能で色分けされています。隅々まで見ないとページに辿り着けないので問題ありですが、ライバルのtwitchにこの機能表は恐らくありません。ゲームのアップデート予定を見るみたいに、わくわくできるのがいいなと思います
挙げるならこれぐらいです。しょぼいっちゃしょぼいです(´・ω・`)。後はあんまりTwitchと変わらないと思います。配信の録画を切り抜き編集したりYouTubeへエクスポートしたりというような機能はありませんが、代わりに、MP4でダウンロードできます
Mixerの始め方
ログイン
Microsoftアカウント、Twitterアカウント、Discordアカウントを利用したログインが可能(それらを使わないで、普通にアカウントも作れる)です。これは難しくないと思うので省略
配信ソフトの導入
Windows10の配信機能はいまいちなので、OBSを推奨します。こちらからOBSをダウンロードしてインストールします。以降は配信遅延1秒以下のFTL配信を行う前提での説明をしていきます。一般的なRTMP配信をする場合は、設定がいくつか異なるので注意してください
残念ながらSHAREオーバーレイをAlt Zで開いてワンクリ配信開始!とはいきません。今のところOBSやXsplitでの配信ができます。OBSは無料のオープンソースソフトウェアでXsplitは有料ソフトウェアです。どちらもその他の配信サービスでも利用できる優秀なソフトとして知られています。近々Windows10さえ入れていれば簡単にBeamで配信できるようになるそうですが、その話は実現してからまた追々。実現しましたが、まだ不完全なので記事には当分しないと思います で、OBSの紹介をしようと思うのですが、これがややこしい。最初に紹介したラグ1秒未満のFTL配信をするには、TachyonというOBS派生のソフトか、OBS FTLというこれまたOBS派生のソフト、どちらかを入れる必要があります。Beamではどちらも紹介されています。え、じゃあどっち入れればいいんだよと 調べた感じでは、 Tachyon OBS FTL ということなので、OBS FTLを推奨したいと思います。ちなみに、公式の回答によれば、元々のOBSにFTLを統合したいというのが内心のようです ※なお、RTMP配信をしたい方は、通常のOBSやXsplitで問題ありません。以降はFTL配信のやり方です まずはこちらからOBS FTLをダウンロードします Releases · WatchBeam/obs-studio-ftl · GitHub こんな感じのページが出ると思います。下の方までスクロールすると古いバージョンになるので、画像にもあるLatest releaseのところから.msiと書いてあるファイルを選んでダウンロードしてください。ダウンロードしたら実行。後は多分OK押すだけなので大丈夫です以下は統合前の古い情報なので折りたたんであります。クリックで展開します
OBSの設定
OBSは開けましたか?画像右下を見てください。「スタジオモード」の下に「設定」があります。これを開きます
左から「配信」を選んで、「サービス」のところを「Mixer.com - FTL」にします。サーバーは「自動(推奨)」が推奨されています。問題がある場合は「Asia:Tokyo」のように自分の接続地域から近いところを設定します。そしてストリームキーなのですが、続いてはこれをMixerに発行してもらいましょう
※画像が見づらい時はクリックして拡大してください
まずはMixerのサイトに行き、右上のアンテナが付いたキャラのアイコンをクリックします。そうすると右側にMANAGE CHANNELの項目があります。それを開いてSTREAM SETUPと書かれたボタンが上側にあるので押します
ここではOBSを使うのでUSE OBSを選びます。少しするとStrem Keyと書いてある項目が出てくるので、これを控えます。僕の場合なぜかコピペできませんでした。控えたら、先ほどのOBSの設定に戻り、控えたストリームキーを入力します
次に「出力」タブを開きます。「出力モード」を「詳細」にして、とりあえず画像のような設定にしてください。ビットレートは、自分のPCスペックや利用している回線の帯域によって、最適な値が異なります。詳しくは以下のリンクを見てください(英語)
Stream Settings: the basics – Mixer
ビットレートは2000-3000あたりで大体の人がやってるんじゃないかと思います。フレンドや視聴者に配信の調子を聞きながら試してみましょう。上のヘルプによれば、回線のアップロード速度の75%以上のビットレートに設定するべきではないようです。ゲームプレイに影響が出るからです。また、ビットレートは3500kbps10000kbpsになってましたを上限としてサポートすると書かれています
NVENCやVCEを使ってもFTL配信はできそうです。僕はx264を重くないので使ってます。ビットレート以外の項目について知りたければ、以下のリンクが参考になります
Streaming With OBS Studio – Mixer
色々書きましたが、画像のような設定にしてビットレートを2000から3000の間ぐらいで設定する。これで大体は問題ありません
配信タイトルの設定
これはMixer側で設定しなければなりません。配信中であれば配信ページからも設定できますが、BeamからMixerになって、配信中もMANAGE CHANNELからの変更が必要になりました。正直不便なので、今後元の仕様に戻るかもしれません。配信前はMANAGE CHANNELから設定します
Stream Titleはまんまタイトルです。Game you're streamingはゲームのタイトル名を入れます。Twitchと同じく、途中までタイトル名を入れれば、オートコンプリートで補完候補がでてきます。その下の文字を書き込むところは自己紹介です。日本語でも問題ありません。外人の方にも見てもらいたいなら、簡単な英語の注意を添えておけばいいでしょう。Share Textは、視聴者がTwitterやFacebook等への共有ボタンを押した際に書き込まれる内容です。%USER%と見慣れない文字がありますが、これは実際はあなたのユーザー名に置き換わり、例えば僕が配信者の場合だと"I'm watching tsukkutotsuku's stream."となります。%URL%も同じ置き換え文字です。どう置き換わるかは分かりますよね
配信をMixer上で録画したい場合は、画像左下のKeep recordings [VoDs] of my streamsをオン(画像のような青い状態)にします。デフォルトでは機能がオフになっています。録画をダウンロードする時は、画像外の上にあるVODSタブを選び、DOWNLOADでおkです。2週間で録画は消えてしまいます(パートナーユーザーは90日)なお、OBSには配信と同時にローカルに録画する機能がありますが、遅延に影響が出るため推奨されていません。こちらの機能を利用しましょうオリジナルのOBSにFTL配信の機能が付いたことで、ローカル録画はおkになりました。ただし、多少の遅延を気にする方は、ローカル録画をやめましょう(僕はあまり感じないです)。ただ、最近VODが保存されていない不具合(?)が多いので、録画を必須とする場合は、OBSのローカル録画機能を利用してください
配信する
まずはソースのとこの白枠で右クリックして、ゲームキャプチャを選んでください
OK
このままOKでもいいのですが、ゲームによっては真っ黒な画面が配信される場合があるので、その場合「モード」を「特定のウィンドウをキャプチャ」に変更し、「ウィンドウ」から起動しているゲームを指定します。そしてOKです。最初の画面に戻ると思うので「配信開始」を押しましょう
コメントビューアを導入する
配信中、他の人がコメントした内容を確認したいことが多々あります。でも、いちいちブラウザを開きに行くのは面倒です。そこでゲーム上にオーバーレイとして配信コメントを表示してくれるのが、通称コメントビューアです。コメビュとも言われます
Mixerのコメビュは調べた限り2つあります。WEBで設定する英語のMollari.Chat、別途ソフトを起動する日本のBeam Comment Viewerがあります
私は特に考えなくMollariを選びました。なので検討や導入含め、こちらのリンクを参考にしてくださいMollariは現在サーバーに繋がりません。サービスを終了したと思われます
決して、投げたとか、もう文字打つの疲れたとかじゃないよ!既にある素晴らしい情報は有効に使っていこうってことだよ!
Mixerの可能性
使いたい人向けはここまで。さて、ちょっと書きましたが、BeamはWindows10で簡単に利用できるようになるかもしれません。Creators Updateでできるようになりました。まだ未完成な部分は多いですが・・。Beam(現Mixer)は昨年Microsoftに買収されたサービスなのです
PCゲーマーは大体Windowsでゲームをしています。もしかしたら、BeamがWindowsのデフォルト配信プラットフォームになってみたいなものになりました。いつかはIEのように公正取引の話が騒がしくなるかもしれませんが、その前にTwitchやYouTubeとのメインストリーム争いに勝てるかが焦点になります。最終的に配信業界をもMSが席巻する可能性があります。しかもMixerにはそれだけのポテンシャル、FTLがあるのです
ゲームの大会は、今まで遅延配信をしてきました。元々の遅延も含め、さらにわざとディレイを入れています。もちろんこれは大会の公平性を期すためです。しかし、あえてFTLというほぼ無遅延な配信を入れて、アドバイスがある中での対戦をしたらどうなるのか。まるで目隠しを付けたスイカ割のように面白い体験が生まれるのではないでしょうか。まぁ大きな大会でそんなことはできないでしょうが・・。でも最近は個人主催の変則的な大会もあったりしますし、Mixerを活かした大会はでてきそうですね
実際使ってみて、コメントが即座に動画で読み上げられるの見ると、とても感動します。 ちょうどバイオ7が出ましたけど、ホラーゲームを無遅延で配信できると、配信者「うわああああ(≧▽≦)」視聴者「今のやつやばいでしょww」配信者「やばかたわやばかたわぁ( ̄д ̄)」って、感情的なやり取りを素早くできるんですよ
でも、例えば、配信者と視聴者がフレンドでVCを繋いでいたとして、遅延のある配信だと、配信者「うわああああ(≧▽≦)」視聴者「???」配信者「今の見た?見た?」視聴者「・・あぁこれか」ってなって、何か皆萎えちゃいますよね。同時に見てるってことがいかに大切か分かります。実際バイオ7は配信多いです(と言っても50とかぐらいで、まだまだBeamが人気じゃないっていうのが分かります)
今まではオフラインで(家に集まってお菓子を食べながら)体験を共有するのが一般的だったと思います。しかしMixerのおかげで、オンラインのフレンド(ネット仲間)ともシームレスなやり取りができるようになりました。もちろんこれは、オフラインでの体験の共有を否定するものではありません。オンラインでも楽しめるという選択肢が増えた。そのことが重要なのです
何かが来そうなMixerを皆さんも使ってみてください