新生DEATHGARDENリリース後の感想
DbDの開発元Behavior Interactiveが昨年夏にリリースした本作は、DbDをやったことのない私にとっても、魅力的な作品でした。自分は銃が撃てる。相手は自分を殺せない。狩りの対象は人間。爽快に自動生成のマップを駆け回り、何とか敵の裏をかく。これがつまらないとは思えません。けれどもDGは一か月と経たずに衰退しました。やりこんでいくとランナー側(今のスカベンジャー)優位なバランスだということが明らかになったのです
そんな衰退後のDeathgardenを私はしばらく生き残りました。外国人の配信者の中には私が日本人であることを知っている人もいます。プライベートマッチが実装されたときには、サボテンの上で私がフェードし、どのサボテンにいるか他の人たちに当ててもらう独自のゲームもやりました。真面目な試合も白熱しましたし、彼らとの交流を忘れることはないでしょう。そして、Deathgardenのリブート計画が明らかにされ、全くマッチングしなくなってしまった時、私はこのゲームを遠くから待つことに決めました
6月になる直前になってついに、Dathgardenは『Deathgarden: BLOODHARVEST』として生まれ変わり(引き続きTwitchの方では"Deathgarden"カテゴリーのままになっている)ました。前作の設定は残したまま、新作は時代が進んでいます。雰囲気も大きく変わり、「未来のカラフルスポーツ」というキャッチコピーはPVから消え、ダークな世界を生き抜くスカベンジャーと極悪そうなハンターの構図に変化しました。勝敗をなくして個人戦寄りにする工夫やセール価格が功を奏したのか、フリープレイ後も4000人以上のアクティブ人口を得ています
私とDGの関りも見て頂いたところで、この記事では新しいDGのバランスについて考えていきます
生まれる批判
当然ではありますが、DGに対して否定的なレビューも生まれています。批判を見ていくことで今のDGの抱える問題が見えてくると思うので、まずは自分の意見よりも先に他人の批判を見ていきます。この項では「過去7日以内に最も参考になったレビュー」として出てきた以下のO-PAN-2氏のレビューを参考にします
Steam Community :: 76561198284325611 :: Review for Deathgarden: BLOODHARVEST
スカベンジャーが隠れ続ければ勝利と言えるのか
このゲームスカが完全に隠密に徹した場合全く見つからない
また見方や自分を透明にするpark(筆者注:原文ママ)があるのだがこれを使われるとドッヂロールされない限り見つけるすべがない
ハッキングしたイントラクトをスカが起動させてくれれば8秒間は可視表示されるが
ポイントにスパチャ使って突撃しても大抵透明化される
脱出口が開かれればスカ全員可視表示されるが
それを逆手にとってタワーの目の前でスカは煽り屈伸
スカベンジャーの中には「アクティブカモ」という一時的に透明になれる弓矢を持っているキャラクターがいます。ですが、いくつか欠点があり、その1つで透明中にドッジロール(でんぐり返し)をすると、うっすらと姿を見ることができます。その他にも見える原因があるのですが、彼の一番の指摘は、目標を実行中の敵に向かってもすぐに消えて逃げてしまうという点です
しかし、そもそも勝利条件のない新DGではあるのですが、時間制限や決められた目標量は存在します。消えて逃げるということは、目標を中断し、逃げている間に時間を無駄にしていることにならないでしょうか。取り逃がすこと自体は局地的な敗北であって、大局的には問題ないと言えます。逃げた敵に圧力を与えるドローンの展開や弾の補充など、こちらの準備する時間ももらえることになるのです
また、「脱出口が開かれればスカ全員可視表示されるが それを逆手にとってタワーの目の前でスカは煽り屈伸」という文において、脱出口が開かれる条件を抑えておく必要があります。これは難しいことではなく、敵が目標を達成しきる、敵が処刑されて最後の1人になる、時間切れになるのいずれかによって脱出口が開かれることになっています。後者2つの場合は敵が敗走していると私なら考えます。煽り屈伸も負け犬の遠吠え程度のものとしか思わず、無表情に銃撃して終わらせます。それでこそ冷酷なハンターの姿を体現できるからです
また同会社のDBDは走った痕跡が見れるがこちらは全くない
これは一見正しい指摘ですが、血痕というのは明確すぎる情報であり、DbDのキラーよりも明らかに機動力のあるハンターからすると辿るのは容易すぎます。開けた場所も多いですから、スカベンジャーが不利になりすぎます
また発見した際は音楽が鳴るがそもそもこちらが把握できなくても画面上にちらっとでも移れば普通に接敵音楽が鳴る
それはハンターもスカベンジャーも同じなので、対等と言えます。むしろ視界の狭いハンターにとって接敵BGMで気づけるのはありがたいことではないでしょうか
parkに関しても私がプレイしてあげた段階では索敵パークはない
直接的に索敵するperkはたしかに存在しません。でもこれはトリックです。ドローンの状況、地雷の起爆音、タレットの反応、弓の音や軌跡、目標実行中の目標物からの赤い信号、足音やジャンプ時の掛け声、その他様々な大小の情報から位置を知ることができます。それらを無視すれば索敵することは難しいですが、DGは何も考えずにやるゲームではないと私は主張します
戦術的にスカベンジャーが著しく優位なのか
スカはパルクールできる上に建築物、崖が多くまた小回りが利くのだからしゃがみを実装する理由もわからない
建築物、崖は基本ハンター側はジャンプでは登れずわざわざ遠回りをする必要がある
スパチャを使えば乗り越えられるがすごい勢いで飛んでいくしすぐにスパチャを切ってもスカは小回りが利くため
また崖、建築物を降りる
よし発見した!撃ち殺せ!とはいかないのがまたこのゲームのすごいところ
スカ側は全員の位置と体力を把握できるのでさっきも言った通り透明化のスペシャル使われはいさようなら
(省略)
実はこのゲームまだすごいところがありなんとスカしか入れずハンターがしゃがんでもエイムできないところがあるのだ
O-PAN-2氏の怒り具合が伝わってくるほどに文が一部崩れていますが、要するにスカベンジャーは小回りが利くのに透明にもなれて有利だということでしょう
本当にそうなのでしょうか。動きを予測して先回りする、高所に位置取って様子をうかがう、地雷を置いて進路を制限したり追い込んだり構造物から退却させたりする、オブジェクトと関係ないので放置する等の動きは可能です。たしかにハンターの心を読んだ動きをすることもあるでしょう。敵の仲間からの思わぬ手助けもあるかもしれません。でもそれこそがこのゲームの不確定で面白いところなのです。スカベンジャーにとっても常にその場の戦いがどうなるかは予測が付きません
崖の上り下りは旧DGからある分かりやすい戦術ですが、これは上から見下ろして様子を見たり、事前に崖下にタレットを置いたり、逆に崖上に地雷を置いたりといったように、いくつかの対策を考えることができます
「よし発見した!撃ち殺せ!とはいかないのがまたこのゲームのすごいところ」というのはマルチプレイヤーゲームとして公平にするうえで自然なことで、否定をしたいのか肯定をしたいのかよく分からなくなっています
最後に書かれている「ハンターがしゃがんでもエイムできないところ」というのは見たことがありません。「スカしか入れ」ない場所はあります。でも倒せます。このような安置があるならバグだと思われるのでフィードバックを御勧めしたいです
VCばかりで有利だからまた廃れてしまうのか
じゃあスカすればいいじゃんと思うがこちらはこちらでVCPTができるため基本VCPTでほかのスカはやっている。
今はまだ無料プレイができるから野良でもマッチするが無料プレイが終わったらどんどんフレンドでやる人間だけが残り
ほぼほぼマッチしなくなると思う
まず「基本VCPTでほかのスカはやっている」の根拠は一切示されていません。それと、O-PAN-2氏自身も言っているように「スカ側は全員の位置と体力を把握できる」のですから、話さずとも連携できる部分は多いのです
ではVCパーティー相手にハンターはかなわないのでしょうか。3人PT相手ですが、私がハンターになって戦ってきた以下の配信を御見せします。視点は相手のスカベンジャーの方のものです。私と同じ生き残り勢で実力は信頼できます。結果は、見ての通り、血の量残り5で時間切れ、4人処刑でした。フルパ相手にかなうかは僕も証明できていませんが、実力のあるPTといい試合ができるバランスであることはたしかだと思います。
やっぱり初期勢との試合は面白かったよ(敵が俺)https://t.co/Hylsmg91CX
— tsukutsuku (@tsukkutotsuku) 2019年6月2日
ついでに指摘しておきますと、生き残り勢の多くはVCをかねてからよく利用していて、彼らのフィードバックを基に今のDGが作られています
O-PAN-2氏の予想は今のところ外れており、4000人以上のアクティブ人口が残り、マッチはまだ続いています
リテラシー
7時間ほどのプレイを基に作られたO-PAN-2氏のレビューは散文的であり、率直に申し上げますと、考えがまとまっているように思えませんでした。皆さんも読みづらいと感じた部分があるのではないでしょうか
レビュー自体に対する批判というのは本来阻まれるものですが、私はこのレビューが「過去7日以内に最も参考になったレビュー」として上位に位置しているのが残念でなりません。幸いこのレビューが参考になったのは私が見た時には10人であり、好意的なレビューにも目を向ける心や自分でプレイすることの大切さを知っている方が多いことを願うばかりです
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勝敗がなくなったことによる問題
さて、O-PAN-2氏の感じたことで、私も共感できる部分はあります。「タワーの目の前でスカは煽り屈伸」はその1つです。これは、明確な勝敗がなくなったことで、タワーへのゴールを勝利と考える人が出てきたことによる現象と考えられます
私のようにスルーできるのならいいのですが、これをまだよくルールの分かっていない初心者などにやられると、その無力さを見せつけられているような体裁になります。オブジェクトに絡まないスカベンジャーの方が「臆病者」であるにもかかわらずです
オブジェクトに絡んだりハンターに時には向かい合うことが、かっこいいスカベンジャーの姿であるという文化を浸透させていく必要があるでしょう。リザルトでスコア順の表彰などがあると、なるべきスカベンジャーの姿が示せると思います
あるいはTitanfall2のように勝敗は決めてしまって、撤退戦としてブラッドモードをすればいいのではないでしょうか
アクティブカモという問題
もう1つO-PAN-2氏に共感するのは「透明化のスペシャル使われはいさようなら」です。いくつかある対策を示していなかったりポイントに圧をかけることの重要性を説いていなかったりする欠点がありましたが、アクティブカモが強いことに関しては理解できます
口で説明するとなると難しいのですが、アクティブカモは見えない場面が実際なかなか多いのです。これに連携してスモークを打ち込んだりドローンを破壊されたりすると、あまりに消えた先の情報をつかめません
アクティブカモ使いの数は制限するべきでしょう。ピック率が高く何人もいることがよくあります。さらにオブジェクトに消極的なカモ使いが何人もいるとハンターも探すのに骨が折れます
FOGという新たな脅威
アクティブカモに続く新たな脅威としてFOGが台頭しつつあります。FOGはスカベンジャー側で最初に解除されて選択されているキャラクターの名前です。HEAT OF THE MOMENTという発見状態の時にスピードの上がるパークがあり、これが強いのではないかと話題になっています
流石に早すぎね?https://t.co/xTjdnajVul
— 顔芸 / Kaogei (@kaogei_jp) 2019年6月2日
伸びがLv×2.5秒だからすっごい長くなるのだ
— 私 (@4690_spinda_v2) 2019年6月2日
ちなみにHEAT THE MOMENTは伸びがLv×5%だから最終的に50%を越える
FOGのユニークアビリティとしてハンターの構築物(タレットやドローン)に対する矢のダメージが高いというのもあり、強キャラの雰囲気をさらに確定させています
まだフリープレイ終了直後でバランス調整のためのデータを集め終わったところかと思いますが、今後の調整が気になるところです
最後に
まだまだ未知の戦い方がある新しいDGですが、今後も流行ってくれるといいです。文末に連れて問題点しか書いてないけど、面白いよ!書くの疲れたからこんな適当な文言で締め!許せ!Steamのレビューって書き直しても新しいレビューと当然認識されないからブログに書くしかなかったのよ。たまに配信